文学散歩

 王子 飛鳥山 佐久間象山 櫻賦 (桜賦 桜の賦) 碑文

碑文は摩耗がすすんでいて読みにくいですが、
「更有慷慨之志士、□儻之豪俊、□芳野而大息、哀皇業之不振」
(更に慷慨の志士、テキ儻たるの豪俊有り、芳野をのぞんでは大息し、皇業の振はざるを哀れむ)
とか、
「此皆都人之所周覽、士女之所遊觀」
(此れ皆都人の周覧する所にして、士女の遊観する所なり)
とか、
すこしでも見えると、全体どんなことが詠まれているのか、興味が湧きます。

碑のわきの北区の解説にも「その名声は印度、中国にまで響き」云々とあるように、
「夫何茲樹之奇□、 泯景響於□漢、挺芬□於日域」
(夫れ何ぞこの樹の奇特なる、景響を梵漢に泯くし、芬ズイを日域に挺ばす)
という桜の樹の「奇特」さ、すばらしさが縷々詠まれてるみたいです。

文学散歩中の餘談ですが、王子といえば、玉子やきの扇屋さんがすぐ近くにありますね。
たしか坪内逍遥『当世書生気質』に出てたような。……

 以下、佐久間象山「櫻賦」