社会系コースの紹介

1. 学校教育学部 初等教育教員養成課程 教科・領域教育専修 社会系コースの概要

2. 学校教育研究科(修士課程) 教科・領域教育学専攻 社会系コースの概要

3. 連合学校教育学研究科(博士課程) 教科教育実践学専攻 社会系教育連合講座の概要

 
1. 学校教育学部 初等教育教員養成課程 教科・領域教育専修 社会系コースの概要

 
昭和55年4月の大学院修士課程学生の入学に2年遅れて,昭和57年4月, 教科・領域教育専修社会系コースが発足しました。社会系コースは,初等教育教員としての共通の基盤の上に,とくに社会系教科教育についての指導能力を高めるとともに,教員としての専門的研究を自ら推進できる能力を育成することを教育理念として設立され,今日まで400名を超える人材を養成,輩出してきました。
 教育課程は,コース設立の理念に基づき,「社会認識」の基礎となる人文・社会諸科学の内容論と,「社会認識」の形成に関わる教科教育学の諸領域を,総合的かつ体系的に整備したものとなっています。
 本コースに入学してくる学生の大部分は,将来,初等中等教育の教員になることを希望して入学してきます。このような現状を踏まえて,本コースでは,理論的側面だけでなく,将来の授業実践に直結する内容論,あるいは教材研究の方法論の習得に重点を置きながら,卒業論文作成の指導を行っています。
  卒論題目一覧を眺めると地理分野では「加東市におけるコンビニエンスストアの立地と展開」,「オランダの自然と農業の発展」,歴史分野では「『台湾日日新報』にみえる日本・台湾の玩具について」,「古代・中世説話にみる女性と家族」,公民分野では「スポーツイベントの経済波及効果」,「ベトナム人の生活と国民性」,教科教育分野では「小学校社会科における地域学習の授業設計」,「世界史教育における「パレスチナ問題」の考察」等がみられます。卒論のテーマは,基本的には学生の問題関心に基づいて設定されます。
 また,教員採用に繋がる真の意味での学力を育成できるように計画的な指導を行っています。


2. 学校教育研究科修士課程 教科・領域教育専攻社会系コースの概要

 
昭和55年4月23日,第1回の入学式が挙行され,本社会系教育講座は本格的に発足しました。社会系コースは,社会認識の発達過程や発達課題という視点から,社会認識教育原論,社会認識教育内容論および社会認識教育方法論の各領域を教授し,高度な研究能力を有する教育実践者および学校教育専門職を育成することを教育理念として設立され,これまでに600名を超える人材を養成,輩出してきました。
  修士論文題目一覧を眺めると,地理分野では「小学校におけるGISの学校安全への応用に関する研究」,「ネパール中央区における都市・農村の生活様式とその変容」,歴史分野では「蒙古連合自治政府時代の教育事業について」,「幕末期における大阪定番制度について」,公民分野では「戦後の部落差別解消策」,「空港が地域に与える経済的影響に関する一考察」,教科教育分野では「絵巻物を活用した歴史的思考力の育成」,「社会科授業におけるグローバル教育の教材開発研究」等がみられます。これらの題目からも推察できるように,修士論文のテーマは,学生の問題関心を第一に尊重しつつ,各指導教員の専門領域を加味しながら設定されています。
  近年の修了生の動向で特筆されるべきなのは,学会や研究会を通じて,研究成果の交換や共有化が図られている点です。例えば,歴史分野では平成7年に「東洋史研究会」が設立され,定期的に研究誌『東洋史訪』を刊行しています。地理分野では平成8年に「地理学研究室報告」を創刊し、毎年継続して発行しております。公民分野では平成9年に「社会科学研究会」が設立され,機関誌『社会科学研究』を発行しました。また,平成12年には人権教育研究学会が設立され,『人権教育研究』が刊行されています。教科教育分野では,平成元年に「社会系教科教育学会」が設立され,『社会系教科教育学研究』が刊行されています。いずれの研究会・学会も,社会系コースの修了者と教員を母体に発足したものですが,会の裾野は着実に学外にも広がりつつあります。

3. 連合学校教育学研究科(博士課程) 教科教育実践学専攻 社会系教育連合講座の概要

 現代の学校教育においては,国際化,情報化の進展と価値の多様化の社会的趨勢に適切に対応できる科学的社会認識及び公民的資質の形成が要請されています。本講座においては,「社会認識」を基本概念として,社会系教育の専門的,体系的教育研究を行い,学校教育推進者として,自立して研究し得る高度な研究者及び専門的職業人を育成し,研究能力の涵養を図ります。
 原論では社会認識に関する原理,歴史及び比較を構成概念とした教育研究を行います。内容論では人間と地域を基礎概念とした地域史,地域環境,思想を主軸として教育研究を行います。また,方法論では児童生徒の社会認識の発達の観点から,授業設計・分析,教材,評価等の教育方法的研究を推進します。それらの統合によって社会系教育の教育研究の実をあげようとしています。



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